ベセスダ・ソフトワークスの同名ゲームをアマゾンがドラマ化した作品で、核戦争で崩壊したアメリカが舞台の冒険もの。
制作は、クリストファー・ノーラン監督の弟で、兄貴と一緒に『バットマン』のシリーズ等で脚本を担当していたジョナサン・ノーランが手掛けている。
分かりやすく言うと、地上は『北斗の拳』みたいな廃墟や砂漠が広がっている世界。
しかし、恵まれた人々は戦前にアメリカ国内の100ヶ所以上に作られたVault(ボルト)という巨大な地下核シェルター施設に移住して惨禍を逃れており、代々100年以上に渡って暮らしている。
このドラマの主人公の一人であるルーシーも、生まれも育ちもVaultという世代。しかし本編で起こるある事件をきっかけに、初めてVaultを出て地上の世界を歩いて行くことになっていく。
一方、地上は地上で残された人類は絶滅してしまったわけではなく、生き延びたものの放射線の影響でゾンビのような見た目の「グール」と呼ばれる姿になってしまった人々や、独自の信念に基づいて戦前のテクノロジーの悪用による悲劇を繰り返させないため、それらを回収することを目的とした「Brotherfood of Steel(通称BOS)」という組織、新たな統制されたコミュニティーや国家を作ろうとする人々、行き当たりばったりで略奪や殺戮を行う「レイダー」と呼ばれるヒャッハーな人々など、色んな人達が逞しく生活している。
「ゲーム原作とか、どうせ期待外れの出来なんだろうなあ・・・」なんて思ってた原作ファンもいただろうけど、実際に観てみると原作愛に溢れた世界観の再現が随所に見られて、シーズン1の全8話を一気見してしまった。
本編始まってすぐのVaultの中の景色からして、そこら辺に置いてある機材とかちょっとした小物に至るまでが「あー、まんまゲームで見たFalloutの世界だ」という感じで、こだわりが凄い。
ストーリーはこのドラマのオリジナル脚本だけど、位置付けとしてはゲームのシリーズに連なる一作品として捉えて構わないようで、そのぐらい強いこだわりを持って作られてはいる模様。
ゲームを飽きるほどやって来た立場としては、何か出てくるたびに「スティムパックだ!」とか「ベルチバード! パワーアーマー!」みたいに反応してしまうくらいゲームファンにはヨダレもののドラマだと思うけど、果たしてゲームを全く知らない人が観たらどのくらい理解度や面白さを感じられるのかが気になるところではある。
別に登場する物やら組織名やらについてしっかりどういうものであるのかという説明がされるわけではないので、例えば序盤から名前が出てくるBOSやエンクレイブなどがどういう組織であり、この世界でどのくらい幅を利かせている勢力なのかとか、何でスティムパックを打っただけで大抵のケガは治療できるのかとか、そこら辺は初めて見る人には「?」と思うかもしれない。